2013年10月20日日曜日

中国で再評価される蒋介石:その意図は?

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/20 08:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/20/2013102000039.html

【萬物相】中国で再評価される蒋介石

 中国・河南省鄭州市に「済国安瀾」という文字が刻まれた石碑がある。
 「国を救い、波を鎮める」という意味だ。
 中日戦争当時の1938年、国民党政府の蒋介石主席が日本軍の進撃を阻むため、住民に知らせないまま、黄河の堤防を爆破したいわゆる「黄河決壊事件」を記念したものだ。
 川の水が面積8000平方キロメートルを覆い、89万人が死亡し、1250万人が家を失ったとされる。
 中国人は蒋介石を非難する際、しばしばこの事件に触れる。
 碑文は「済国淹瀾(国を救おうとして、水に沈めた)」と皮肉っている。

 蒋介石は三つの戦争を戦った。
★.軍閥を打倒した北伐、
★.抗日戦争、
★.そして国共内戦だ。
 蒋介石は2回の戦争に打ち勝ちながら、国共内戦に破れ、49年に台湾に逃れた。

 430万人の正規軍に米国の支援まで受けたにもかかわらず、120万人規模の毛沢東の軍隊に敗れたのは、軍の腐敗と民心が離れたことが原因だった。
 黄河決壊事件で耕地が台無しになり、300万人が餓死した際にも、国民党幹部は蓄財に忙しかった。

 毛沢東は国共内戦当時、蒋介石を
 「独裁、内戦、売国の三位一体だ」
と批判した。
 米国人女性記者のストロング氏とのインタビューで
 「蒋介石と彼を支持する米国は張り子の虎だ」
と言い切った。
 共産党政権発足後、毛沢東は
 「蒋介石は中国最高の教師として、人民と共産党員を教育した」
と語った。
 蒋介石の失敗が、中国人が歴史のかがみとすべき「反面教師」の役割を果たしたという意味だ。

 中国の教科書に「走狗」「匪賊」として描かれた蒋介石に対する評価が、改革・開放によって変わり始めた。
 中国は80年代、浙江省奉化にある蒋介石の生家を修復し、文化大革命の際に破壊された蒋介石の母親の墓も復元した。
 2011年に中国社会科学院がまとめた全36巻の『中華民国史(1911-49)』は、蒋介石に対する再評価の象徴だ。
 同書は
 「蒋介石が義無反顧(正義のため、後ろを振り向かず、ひたすら前進する)を叫び、対日抗戦を決定した」
と書いた。

 今年7月に社会科学院のベテラン研究員2人が著した『蒋介石伝記』は110万部を売り上げた。
 蒋介石を40年以上研究した2人は、蒋の日記や秘密解除された文書に基づき、北伐と抗日戦争の功績を客観的に記述した。
 中国がかつて匪賊として非難した蒋介石への評価を変えたのは、
 台湾との「政治的統一」を念頭に、台湾人2300万人の支持を得るのが狙いだ。
 統一が現実として近づくほど、蒋介石を毛沢東と共に20世紀の英雄として再評価する動きが活発になりそうだ。





【日中の狭間にあって:台湾はどう動くか】



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