2013年10月20日日曜日

中国で再評価される蒋介石:その意図は?

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/20 08:56
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/20/2013102000039.html

【萬物相】中国で再評価される蒋介石

 中国・河南省鄭州市に「済国安瀾」という文字が刻まれた石碑がある。
 「国を救い、波を鎮める」という意味だ。
 中日戦争当時の1938年、国民党政府の蒋介石主席が日本軍の進撃を阻むため、住民に知らせないまま、黄河の堤防を爆破したいわゆる「黄河決壊事件」を記念したものだ。
 川の水が面積8000平方キロメートルを覆い、89万人が死亡し、1250万人が家を失ったとされる。
 中国人は蒋介石を非難する際、しばしばこの事件に触れる。
 碑文は「済国淹瀾(国を救おうとして、水に沈めた)」と皮肉っている。

 蒋介石は三つの戦争を戦った。
★.軍閥を打倒した北伐、
★.抗日戦争、
★.そして国共内戦だ。
 蒋介石は2回の戦争に打ち勝ちながら、国共内戦に破れ、49年に台湾に逃れた。

 430万人の正規軍に米国の支援まで受けたにもかかわらず、120万人規模の毛沢東の軍隊に敗れたのは、軍の腐敗と民心が離れたことが原因だった。
 黄河決壊事件で耕地が台無しになり、300万人が餓死した際にも、国民党幹部は蓄財に忙しかった。

 毛沢東は国共内戦当時、蒋介石を
 「独裁、内戦、売国の三位一体だ」
と批判した。
 米国人女性記者のストロング氏とのインタビューで
 「蒋介石と彼を支持する米国は張り子の虎だ」
と言い切った。
 共産党政権発足後、毛沢東は
 「蒋介石は中国最高の教師として、人民と共産党員を教育した」
と語った。
 蒋介石の失敗が、中国人が歴史のかがみとすべき「反面教師」の役割を果たしたという意味だ。

 中国の教科書に「走狗」「匪賊」として描かれた蒋介石に対する評価が、改革・開放によって変わり始めた。
 中国は80年代、浙江省奉化にある蒋介石の生家を修復し、文化大革命の際に破壊された蒋介石の母親の墓も復元した。
 2011年に中国社会科学院がまとめた全36巻の『中華民国史(1911-49)』は、蒋介石に対する再評価の象徴だ。
 同書は
 「蒋介石が義無反顧(正義のため、後ろを振り向かず、ひたすら前進する)を叫び、対日抗戦を決定した」
と書いた。

 今年7月に社会科学院のベテラン研究員2人が著した『蒋介石伝記』は110万部を売り上げた。
 蒋介石を40年以上研究した2人は、蒋の日記や秘密解除された文書に基づき、北伐と抗日戦争の功績を客観的に記述した。
 中国がかつて匪賊として非難した蒋介石への評価を変えたのは、
 台湾との「政治的統一」を念頭に、台湾人2300万人の支持を得るのが狙いだ。
 統一が現実として近づくほど、蒋介石を毛沢東と共に20世紀の英雄として再評価する動きが活発になりそうだ。





【日中の狭間にあって:台湾はどう動くか】



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2013年10月18日金曜日

中国と台湾の政治対話に水を差す: 「一つの中国」への言及

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WEDGE Infinity 2013年10月18日(Fri) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3252

中国と台湾の政治対話に水を差す:「一つの中国」への言及

 2013年10月11~12日に第1回両岸平和フォーラムが開かれた。
 全国台湾研究会、台湾21世紀基金会など14の両岸の民間組織、学術機構の共同主催の会議で、テーマは「両岸の平和、共同発展」というものだった。
 中国と台湾のあいだの交流は形式的に民間によって行われており、テーマもこれまで経済、貿易関係に関するものだったが、今回初めて相互信頼、外交問題、平和構造といった政治、安全保障分野を取り上げたことで注目された。

 これに先立つ10月6日、習近平国家主席が台湾との政治対話に積極的な姿勢を示していたこともあり、このフォーラムへの注目はさらに高まった。

 会議の開幕式には、張志軍・党中央台湾工作弁公室主任兼国務院台湾事務弁公室主任が出席し、挨拶した。
 党と政府の台湾問題を主管する部門のトップである張の発言に注目したのだが、その発言からは交流促進というよりは、むしろ期待に水を差すのではと思われる発言の方に目がいった。

 中国側は、台湾との政治交流をどのように考えているのだろうか。

■「一つの中国」に2度も言及した張志軍の発言

 10月12日付『人民日報』は、張の挨拶をどう伝えたのだろうか。
 6面に開幕式の様子を伝える記事が比較的大きく掲載された。
 張の主な発言は以下のとおりである。

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
 「両岸関係発展過程で、政治争議はしばらく棚上げにするが、完全に長期的に回避することはできない。
 『経済だけで政治はない』というやり方は持続しない。
 両岸の経済、文化の交流、協力を促進すると同時に、両岸の矛盾対立の解決に努力し、両岸も政治関係に対し情にも理にもかなっている手はずを整えてこそ、たえず両岸の政治的相互信頼を増進し、両岸の民衆の重大な関心事を解決し、両岸関係の持続的平和的発展に対する自信を増強し、両岸の平和、共同発展のビジョンを実現することができる」

 「大陸と台湾は一つの中国に属することを堅持することが、両岸関係の平和発展を確保する共同の政治的基礎であり、両岸の政治対立問題を話し合い解決する根本的立脚点である。
 両岸のあいだには多くの政治対立があるが、一つの中国の枠組みを動揺させ、損なうことはできない。
 両岸のあいだのあらゆる政治対立問題は、この枠組みで適切は解決方法を模索すべきである。これが緩めることのできない最低ラインである」

 「民間の政治対話を展開することは、各界の積極的な思考を促進し両岸の政治対立問題を解決する実行可能なプロセスに有利であり、今後の両岸が関連問題を話し合い解決するために受け入れられる方案を模索することに有利であり、両岸の政治対話、話し合いをスタートさせるための融和な雰囲気を作り出すことに有利であり、参考にできる経験と方法を提供することができる」
>>>>>>>>>>>>>>>>>

■台湾との政治対話を無条件に進めない意思表示

 このファーラムに先立ち、習が10月6日にAPEC首脳会議の場で、台湾前副総統の蕭万長・台湾両岸共同市場基金会栄誉董事長と会見した。
 その際に政治対話について次のような踏み込んだ発言をしていた。

<<<<<<<<<<<<<<<<
 両岸の政治的相互信頼を増進し、共同の政治的基礎を打ち建てることが、両岸関係の平和発展確保のカギである。
 長期的に見て、両岸に長期にわたり存在する政治対立の問題は結局一歩一歩解決しなければならない。
 これらの問題を次の代に送ってはならない。
 われわれはすでに何度も示している。
 一つの中国の枠組みで両岸の政治問題は台湾と平等な話し合いを進め、情にも理にもかなった手配をしたい。
 両岸関係における処理すべき事務に対しては、双方の主管部門の責任者が会って意見交換すればいい。
>>>>>>>>>>>>>>>>

 張自身には台湾との関係を方向づける権限はなく、張の発言が中国と台湾の政治対話に積極的な姿勢を示したのはこの習の発言に沿ったものである。

 他方、張は「一つの中国」に2度も言及し、
 「動揺させ、損なうことはできない」
 「緩めることのできない最低ライン」
と位置づけたことは、緊張感を増しているようにすら感じられる。
 政治対話への積極性とは一転、政治対話を無条件で進めるものではないという中国側の意思を示している。
 初の民間政治交流の場での挨拶だけに、期待感は強かったかもしれないが、「一つの中国」発言はこれに水を差した。

 「一つの中国」とは、台湾は中国の不可分の領土であり、中国は一つであるという主張であるが、中台間でその解釈は異なり、争点となってきた。
 そのため、最近では棚上げされ、実務的な交流を進展させていた感がある。

■なぜ「一つの中国」に言及したのか

 政治対話のきっかけになるかもしれない場で、張が「一つの中国」を2度も持ち出したこと、そしてそれを『人民日報』が報じたことは、なんらかの意味があると考えるべきだろう。

 一つには、10月12日に外交部が、欧州議会が10月9日にEUと台湾の経済貿易関係の決議を採択したことを次のように非難している。
 「民間の経済貿易交流の展開に異議はない。
 しかし、公的関係の発展には反対する。
 中国とEUの関係の大局から出発し、一つの中国の原則をしっかりと守り、台湾に関する問題を慎重に処理し、台湾と公的交流を進めない、いかなる公的性質を有する協議に調印しないことを希望する」。
 そのため、張の発言はEUとの公式な関係を深めようとする台湾に対し、クギを刺す目的があったとみることもできる。
 それならば、個別事案への対応で出てきた「一つの中国」であり、中国と台湾の関係改善に大きな影響はないかもしれない。


 もうひとつの見方もできる。
 台湾との政治対話を進めることが、習が自らの権威を高めるために熱心であると見られている点である。
 台湾統一は中国共産党に残された悲願である。
 かつて、江沢民が自らの権威を高めるために香港返還を利用していたことと相通じる。

 しかし、党内には台湾との安易な政治対話推進に反対するものもいれば、習が進めることには何でも反対しようというものもいる。
 習自身も政治対話に踏み切れるだけのリーダーシップを固めているのか、それともリーダーシップを構築するための「賭け」なのか。

 いずれにせよ、習はバランスをとるために、「一つの中国」に言及しなければならなかったものと思われる。
 そして張はその意向を受けて発言しているということである。
 台湾側にとっては、警戒感を呼び起こされているはずであり、
 「一つの中国」という考え方が依然として政治性を持っている限りは、中国と台湾の政治対話が進むようには思われない。

佐々木智弘(ささき・のりひろ)
日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長
1994年慶應義塾大学大学院博士前期課程修了、同年アジア経済研究所入所。北京大学、復旦大学、中国社会科学院の客員研究員を経て、現在日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。





【日中の狭間にあって:台湾はどう動くか】



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2013年10月17日木曜日

台湾滞在者も納得、現地の人に聞いた日本人と台湾人の意外な見分け方とは?

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●台湾に住んでいるときによく「日本人と台湾人はどこが違うか」と聞かれた。そんな時、私はいつも「だいたい同じ」と答える。写真は台湾。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月16日 23時47分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77960&type=0

台湾滞在者も納得、現地の人に聞いた日本人と台湾人の意外な見分け方とは?

 台湾に住んでいるときによく「日本人と台湾人はどこが違うか」と聞かれた。
 そんな時、私はいつも「だいたい同じ」と答える。

 実のところ、ファッションをみれば十中八九検討はつく。
 若い女性は文字で表現しにくいが、普通のシャツやワンピースの肩の部分に丸く穴が空いている服を着ている。
 若い男性は、メガネをかけている。
 お年寄りになるとグッと難易度は上がって、分からなくなる。
 日本でも、おじさんなのかおばさんなのか分からない人がいるように、台湾でも日本人なのか中国人なのか、時には性別すらも見た目だけでは判断できない。
 年を重ねると無国籍・無性別になるようだ。

 若い人でも顔だけを見たのでは、私にはどこの国の人なのか分からない。
 そんなことを美容院でお店の人と話していたら、
 「日本人と台湾人の女性は歩き方で見分けられるよ」
と教えてくれた。
 なんでも、日本人女性は内股で歩き、台湾人女性は外股で歩くそうだ。

 その後、意識的に女性の歩き方を観察していたら、確かにその通りだった。
 個人的には、内股で歩く女性もおしとやか(死語か?)で魅力的だし、
 外股でサッサッと歩く女性もカッコよくていいと感じる。

 ただ、台湾人の道を歩くスピードはすごく遅い。

■武藤友真
2011年から台湾に留学。台湾の友人に誘われ、台湾北部の観光地をほぼ行き尽くす。台北で好きな場所は、台北駅地下のオタク街と松山空港近くの熱帯魚屋街。





【日中の狭間にあって:台湾はどう動くか】



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2013年10月16日水曜日

台湾・馬英九総統の訪中、中国政府が改めて拒否…APEC

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●(写真は「CNSPHOTO」提供)


サーチナニュース  2013/10/16(水) 12:56
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1016&f=politics_1016_004.shtml

台湾・馬英九総統の訪中、中国政府が改めて拒否…APEC

  中国・国務院台湾事務弁公室の範麗青報道官は16日の記者会見で、
 「(台湾海峡)両岸の指導者が会うために、国際会議の場を借りる必要はない」
と述べた。
 台湾で、中国政府は2014年に北京で開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)の会議への馬英九総統の出席を認めるべきとの声が出ていた。
 範報道官は、中国政府としての拒否の考えを改めて示した。
 中国新聞社が報じた。
 国務院台湾事務弁公室は、中国政府の台湾との交渉部門。

  範報道官は、
 「(台湾海峡)両岸の指導者が会うことは、両岸の中国人自身のことであり、国際会議の場を借りる必要はない」、
 「台湾側の関係者がAPEC首脳の非公式会議に出席する問題については、APECの関連備忘録の規則によって処理すべきだ」
などと述べた。

  範報道官が言う「関連備忘録」とは、1991年に中国大陸、台湾、香港が署名した「備忘録」を指す。
 同備忘録では、
 台湾と香港は国家ではなく「地域経済体」としての扱いを受け、
 それぞれの名称は「チャイニーズ・タイペイ」、「香港」とすることが定められた(香港は英国から中国への返還を機に、中国香港(チャイニーズ・ホンコン)と改称)。

  また、台湾の経済関連の閣僚や財界人はAPECの関連会議に出席できるが、外相や副外相は出席できないことが決められた。
 その後も中国はAPECに際して、台湾を国家扱いしないよう求め続け、台湾からの出席予定者が、拒否されたこともある。

  ただし2008年にペルーの首都、リマで開催されたAPECの首脳会議からは毎年台湾の連戦元副総統(国民党名誉主席)が出席し、中国の胡錦濤主席との会談も実現した。
 台湾は連元副総統を馬英九総統を代理する特使と位置づけた。

  2013年にインドネシアで開催されたAPECには、国民党の蕭万長前副総統が出席した。

  中国が、APECへの国民党の元副総統の出席を容認しはじめた2008年は、馬英九政権が発足した年でもある。

2013年10月8日火曜日

中国、20年武力制圧能力…台湾が警戒感:23年には台湾問題は大きな障害に

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●.4日、米華字紙・世界日報は記事「中国本土研究者が予言、2016年の台湾大統領選で民進党が政権奪回」を掲載した。清華大学当代国際関係研究院の閻学通院長は、2016年に行われる次回の台湾大統領選で民進党が政権を奪回すると予言している。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月8日 16時3分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77587&type=0

中国研究者が予言、2016年の台湾大統領選で民進党が政権奪回―米華字メディア

 2013年10月4日、米華字紙・世界日報は記事
 「中国本土研究者が予言、16年の台湾大統領選で民進党が政権奪回」
を掲載した。

 清華大学当代国際関係研究院の閻学通(イェン・シュエトン)院長は、16年に行われる次回の台湾大統領選で民進党が政権を奪回すると予言した。
 民進党の候補としては前回大統領選に出馬した蔡英文氏が選ばれる可能性が高いという。

 閻院長は李登輝元大統領が台湾独立を打ち出すこと、陳水扁元大統領の当選と第2期目の続投を予想するなどの実績を持つ。
 新刊『歴史の慣性』(台湾版タイトルは『次の10年』)で台湾の未来を予想している。

 16年に誕生する民進党政権は馬英九政権とは方針を変え、大陸との関係を疎遠にし米国との軍事関係強化に動くと分析している。
 一方で台湾独立を明確に打ち出した民進党の陳水扁元大統領とも違う方針をとり、国際舞台での台湾の役割拡大を目指すという。
 23年には台湾問題は米中関係にとって大きな障害となり
 その問題性は日本問題を上回ると分析している。



(2013年10月8日21時53分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131008-OYT1T00938.htm

中国、20年までに武力制圧能力…台湾が警戒感

 【台北=比嘉清太】
 台湾の国防部(国防省に相当)は8日、2013年版「国防報告書」を公表し、中国軍について
 「2020年までに、台湾に対する全面的な武力(制圧)作戦をやり遂げる能力を獲得する計画だ」
と分析し、戦力増強に警戒感を示した。

 報告書は、中国は台湾情勢をにらんで戦略ミサイル190基余りを保有しており、2年前と比べて約10基増えたとの見方を示した。
 また、今年9月に沖縄県・尖閣諸島沖の上空を中国軍の無人偵察機が飛行したことに触れ、台湾も領有権を主張する南シナ海などへの無人偵察機投入に警戒感を示した。



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月15日 8時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77866&type=0

両岸(中台)統一が射程内に?―習近平と馬英九の接近


●10月6日、中国の習近平・国家主席は台湾の蕭万長・前副総統と会談。習近平は溢れんばかりの笑みを振りまいて蕭万長と握手した。来年北京で開催されるAPEC首脳会議に台湾の馬英九総統を招聘することを習近平は示唆したのだ。写真は「一国二制度による両岸統一」看板。

 インドネシアのバリで、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が開かれる前日の10月6日、中国の習近平・国家主席は台湾の蕭万長・前副総統と会談した。
 習近平は溢れんばかりの笑みを振りまいて蕭万長と握手した。
 台湾は「台北」としてAPECに正式加盟しているが、それでも「一つの中国」を唱える中国は台湾総統の首脳会議への参加を認めて来なかった。
 しかしここに来て、風向きが変わりつつある。
 来年北京で開催されるAPEC首脳会議に台湾の馬英九総統を招聘することを習近平は示唆したのだ。

▼北京政府に寄り添う馬英九

 2005年4月29日、台湾の国民党主席であった連戦が訪中し、当時の胡錦濤国家主席と北京の人民大会堂で対面している。
 1949年、中華人民共和国誕生に伴い国民党が台湾に逃亡してから56年の年月が経っていた。
 中国はこの会談を「国共(国民党・共産党)第三次合作」として、大歓迎。
 ちょうど反日デモが激しく燃え上がっていた時期だ。
 憎しみに歪みながら日本罵倒を叫ぶ若者の顔と、「熱烈歓迎!」と手を振りながら国民党主席を迎える若者の笑顔は、不快なほどの対象を成していた。

 このとき、1992年に互いに「一つの中国」などに合意した「92コンセンサス」を再確認し明文化した。
 それからというもの、台湾の経済が中国なしには成り立たないほどの優遇策を、中国は台商(台湾商人)に提供し、大量の台商を大陸に誘致。
 その結果、2008年の総統選では、台湾独立派である陳水扁(民進党)が敗北し、独立を主張しない国民党の馬英九が総統に選ばれた。
 馬英九はもっぱら北京政府に寄り沿って台湾経済を中国に食い込ませ、中国を喜ばせた。

 しかし中国への依存度に反比例するかのように、馬英九の台湾における支持率は激減している。
 今年9月に入ってからの台湾の「年代テレビ局(ERA)」の民意調査によれば、馬英九の支持率は遂に一桁台の9.2%にまで下がったという。
 党内問題も抱えているとは言え、果たして来年のAPECまで持つかどうかさえ疑わしい。
 それでもなお中国としては経済だけでなく政治面においても本格的に乗り出し、
 台湾を「中国から抜け出せないスパイラル」へと誘い込み「両岸(中台)統一」に持って行くつもりだろう。

▼中国に嫌われたくない経済界

 このたび台湾に行き、中国の台湾経済への食い込み方には、ただならぬものがあるのを感じた。
 筆者は中華人民共和国が誕生する前の国共内戦(革命戦争)を中国吉林省長春市で体験している。
 1948年、国民党が支配する長春市は中共軍に食糧封鎖された。
 数十万の長春市民が餓死。
 筆者の家族もその中にいる。
 長春を脱出するときには二重になっている包囲網「●(上下を縦に重ねる)子(チャーズ)」の中に閉じ込められ、死体の上で野宿した。
 中共軍側の門が閉ざされたままだったからだ。
 筆者は恐怖のあまり記憶を失った。
 その原体験をまとめた『●(上下を縦に重ねる)子(チャーズ)――出口なき大地』を1984年に出版し中国語に翻訳。
 何とか中国で出版しようと試みてきたが、言論規制により未だ許可されていない。

 中国が民主化すれば言論の自由も得られるだろうが、その日まで生きていられるのかが疑わしい年齢になってしまった。
 そこで昨年リライトして出版した『●(上下を縦に重ねる)子(チャーズ)――中国建国の残火』を改めて中国語に訳し、やむなく台湾で出版することを決意した。
 台湾の出版社と交渉が成立したのだが、協力してくれた人物の言った言葉に愕然とした。
 その人は筆者に
 「台湾で出版する本には、どうか自分の名前を出さないでほしい」
と言ったのである。
 「なぜなら大陸との交易があるので、中共に不利な史実を残すことに加担したと思われたくない」
というのだ。

▼台湾にもやがて愛国主義教育が?

 共産党軍と戦って敗北し台湾に逃亡した国民党政府は、1987年になってようやく軍事体制下の戒厳令を解き中国反攻を諦めている。
 それでも90年代にはまだ中共への敵対的ムードが残っていた。
 それが今「中共に嫌われたくない」という時代に入っている。
 これではまるで台湾は精神的に「中国」に吸収されているようなものではないか。

 双十節(「中華民国」建国記念日)の10月10日、馬英九総統は中国大陸との関係は「国際的関係ではない。
 同じ中華民族だ」と言った。
 「国際的関係でない」ということは「国と国の関係ではない」ということだ。
 「一つの中国」を認めるということにつながる。

 習近平は10月6日の会談で「両岸問題を後の世代に残したくない」として、あたかも習近平政権内に両岸統一を成し遂げるような発言をした。
 しかし北京政府に付き従う馬英九の異常なほどの支持率低下は、台湾の国民が「統一」に「ノー」を突き付けていると見るべきだろう。
 「統一」は力関係からいけば「吸収」だ。

 その一方で「中共に嫌われたくない」という経済界の思惑。
 また一つ、言論規制の地域が増えていくことになるのだろうか。
 尊厳と精神性が勝つのか、実利と経済が勝つのか。

 一国二制度だろうと、吸収されれば香港と同じように、反日的で共産党を礼賛する愛国主義教育を強要される台湾がやがて訪れる。
 今はまだ世界で最も親日的な台湾。
 しばらく台湾問題から目が離せない。 

(<遠藤誉が斬る>第5回)
遠藤誉(えんどう・ほまれ)
筑波大学名誉教授、東京福祉大学国際交流センター長。1941年に中国で生まれ、53年、日本帰国。著書に『ネット大国中国―言論をめぐる攻防』『チャイナ・ナイン―中国を動 かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ毛沢東になれなかった男』『チャイナ・ギャップ―噛み合わない日中の歯車』、『●(上下を縦に重ねる)子(チャーズ)―中国建国の残火』『完全解読「中国外交戦略」の狙い』など多数。


●『チャーズ 出口なき大地』 1984/07/14





【日中の狭間にあって:台湾はどう動くか】



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2013年10月7日月曜日

中国の発展の陰り:台湾はどう動くべきなのか、悩みの時代へ

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 かげりが現実化してきた中国。
 その影響で台湾が揺れている。
 これまでは中国の発展にフィットするように動いてきた台湾であり、中国は何もせずとも台湾のほうが勝手に中国に寄り添ってきた。
 しかし、落ち目の中国を前にして台湾の動きがぎくしゃくしてきた。
 中国派の馬総統と台湾派の王立法院院長の確執が政治を混乱させている。
 このままでは、台湾は中国から離れていく。
 危機感をつのらせる中国は政治対話を呼びかけることになる。
 
 原因はなんといっても、中国の発展の陰りにある。
 それが様々な波紋を近隣に投げかける。
 中国は再び昇ることはない。
 日本には「また陽は昇る」が期待できるが、中国にはそれがない。
 日本は幾度でも、落ちたらよみがえる可能性を持つ。
 中国には一度落ちたら、それっきりかもしれないという不安がつきまとう。
 おちていく一方と見たほうが適切。
 なら、近隣はどう対処すべきか?
 悩み多きアジアである。


日本経済新聞  2013/10/7 1:12
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0601D_W3A001C1FF8000/

 習主席、台湾前副総統に政治対話呼びかけ 担当官庁トップ対面

 【バリ(インドネシア)=土居倫之】
 中国の習近平国家主席は6日、台湾の蕭万長前副総統との会談で
 「政治的な意見の相違は徐々に解決しなければならず、後の世代に残してはならない」
と述べ、台湾に政治対話を呼びかけた。
 中台の担当官庁トップも同日、初めて顔合わせをした。
 中台関係が経済協力の強化に続き、政治面でも動き出す可能性が出てきた。

 蕭前副総統は台湾の馬英九総統が代理としてアジア太平洋経済協力会議(APEC)に派遣した。
 会談は非公開で約30分間。中国は2014年秋に北京で開くAPECで、現役台湾総統の初訪問と首脳対話を実現したい考え。
 将来の中台統一を連想させるため、台湾住民の間では拒否感が強まる可能性がある。

 習主席らの会談に併せ、中国で台湾関係を担当する国務院台湾事務弁公室の張志軍主任(閣僚級)と、台湾で対中政策を所管する大陸委員会の王郁●(たまへんに奇)主任委員(同)も6日、両官庁トップとして初めて対面した。

 張主任は
 「中台間は800万人が往来しているのに、中台の責任者が会っていないのは良くないことだった」
と指摘。
 「王主任委員の訪中を歓迎する。自分も機会があれば、台湾に行きたい」
と相互訪問を提案した。

 張主任は10年に締結した中台の経済協力枠組み協定(ECFA)にも触れ「サービス貿易協定の早期発効を希望する」とも語った。

 中台はECFAに基づき、6月にサービス貿易協定に調印したが、台湾の与党の内紛に伴う立法院(国会)の混乱で、発効時期のメドが立っていない。
 王主任委員は
 「発効遅れの背景には、様々な複雑な原因がある」
と説明した。

 中国が台湾との経済協力を強化するのは、台湾独立派をけん制し、将来の平和統一を目指すのが狙い。
 台湾側には、ECFAの実績をテコに
 中国以外の国と自由貿易協定(FTA)を結びたいとの思惑がある。

 中台がECFAを締結するまでは、中国の反応を警戒して台湾とのFTA協議に慎重な国が多く、台湾はFTA締結実績が少なかった。

 会談後、記者会見した蕭前副総統は「中台関係の持続的な発展で合意した」と強調。「ECFAでの関税撤廃の項目拡大や紛争解決の議論を加速する」と語った。



ロイター 2013年 10月 7日 13:09 JST
http://jp.reuters.com/article/jpchina/idJPTYE99603W20131007

中国主席が台湾前副総統と会談、「中台問題解決の先送りできない」

 [ヌサドゥア(インドネシア) 6日 ロイター] -
 中国の習近平国家主席は6日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を控え、台湾代表団の蕭万長・前副総統と会談し、中台問題の政治解決を永遠に先送りすることはできないと述べ、政治対話の促進を呼び掛けた。

 中国国営の新華社によると、習主席は
 「海峡を挟んだ相互の政治的信頼を高め、政治的な基礎を共同で作り上げることは、両岸(中台)関係の平和的発展にとって極めて重要だ」
と指摘。
 「将来を見据え、双方の間に横たわる政治的な意見の相違は、徐々に最終的な決着をみなければならず、これらの問題を世代から世代へと先送りすることはできない」
と述べた。
 習主席は
 「『1つの中国』の枠組みの中で両岸問題について台湾と平等な協議を(われわれは)持ちたいと私は何度も語っている」
と述べた。
 中国政府と台湾当局は1992年、中台がそれぞれの解釈で「1つの中国」をとらえることで合意した。

 台湾の馬英九総統が就任した2008年以降、両岸関係は貿易や観光面で大きく改善したが、馬総統は時期がまだ適当ではないとして、政治対話の早急な開催を否定する考えを示している。
 蕭前副総統は記者団に対し、「双方ともに一層の理解が必要だ」と指摘。
 習主席と馬総統の会談の可能性については、自身と習主席の間で話し合わなかったと明らかにした。

 前副総統は
 「コンセンサスを見出すことできるならば、諸問題解決に向けた合理的な計画を徐々に見出すことができるだろう」
と話した。


 習近平は尖閣問題の失敗を繰り返したくはないだろう。
 とすれば、口先だけは先送り出来ないとは言うが、いますぐに行動できるかというとそうはいかないだろう。。




【日中の狭間にあって:台湾はどう動くか】



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2013年10月2日水曜日

台湾の中国文化教材に、中国本土で「難しすぎる」の評

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●29日、台湾で使用されている「中華文化基本教材」が5月に中国で出版された。内容は「論語」や「孟子」などだが、中国の教員から「難しすぎる」との声が上がっている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年10月2日 16時25分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=77345&type=0

台湾の中国文化教材に、中国本土で「難しすぎる」の評

台湾の中国文化教材に、中国本土で「難しすぎる」の評―米メディア

2013年9月29日、ボイス・オブ・アメリカ中国語サイトによると、中国の代表的な出版社・中華書局が5月に台湾で使用されている「中華文化基本教材」を輸入・出版した。「論語」や「孟子」などの「四書」を内容としているが、中国の教員から「難しすぎる」との声が上がっている。

台湾では1956年から高校で「中華文化基本教材」が必修科目になっており、現在も46%の学校で5万3000人余りの高校生がこの教材を使って授業を受けている。全6巻の構成で、1~3巻が「論語」、4~5巻が「孟子」、6巻が「大学」と「中庸」に充てられている。

それぞれを抜粋したものだが、全体を網羅する内容となっており、中国の教員らは「今までの教材と比べて内容が5~10倍に増えた」と指摘している。しかし、実際には中華書局の版は台湾で使用されているものを元に難しい用語を改め、文体もわかりやすく書き直しているという。北京大学附属実験学校のある教師は大学では政治教育専攻だったが、古典に関する教育は十分受けたことがなく、他の多くの教員が同様だと話している。

輸入・出版元の中華書局も「授業に必要な時間は何とかなるが、教員不足が大きな問題となっている」としており、現在は武漢市第4中学と太原外国語第2学校、華中科技大学附属中学、鄭州市第5中学、北京大学附属実験学校で試験的に採用されるのみとなっている。

中国で古典に関する教育が廃れた原因は毛沢東が文化大革命で「批林批孔運動」(林彪と孔子とを合わせて批判した運動)を推進したことで、これにより儒教学者が迫害され、各地の孔子廟や関連する資料が散逸したことにある。




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